常連さんが集まる

居心地の良いひと時を


日向地区 またべゑ旅館

女将 高橋 良江さん

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INTERVIEW

漁師の世界に驚きの連続

日向地区にある「またべゑ旅館」。女将の良江さんは、親御さんの紹介で同じ町内から嫁ぎました。それまでは、京都で電気屋さんの家のお手伝いをしていましたが、嫁いだ当時は若干20歳!ご飯の炊き方も何にも知らない状況で、最初は掃除や洗濯しかできなかったと言います。

山間の土地から嫁いだ先はいかにも“漁師町”という日向。まず驚いたのは言葉の荒々しさ!船に乗る時の大きい声が丘に上がってもそのままなのか、日常のしゃべり言葉さえも喧嘩しているみたいに聞こえた漁師言葉。実家は農家で、物静かな方だったので最初は本当に驚いたそうです。

良枝さんが嫁いだ時はまだ民宿を始めておらず、良江さん達ご夫婦が家を切り盛りするようになってから、少しずつ民宿をするようになりました。漁師だったご主人が魚をたくさん獲っていたし、釣り客からの「泊めて欲しい」という要望が多かった事が民宿を始めたきっかけだそうです。

最初は7〜8人が宿泊できる民宿から始め、だんだんと客数が増えていき、そろそろ建て替えようかという今から17年前、ご主人が亡くなりました。享年73歳。一人残された良江さんはこのまま民宿を続けようか辞めようか悩みましたが、市場での魚の仕入れも自分でできるし、何より、常連さん達がいてくれるからと、続けて行く決心をしたそうです。

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INTERVIEW

仲間とお客様に支えられた人生

美味しいと評判の名物「女将の会」の手作りへしこは、ご主人が亡くなってから始めた事業。偶然、同じように旦那様を亡くされた境遇の女性達が集うこととなりました。みんなで励ましたり楽しく話をしたりする事で気が紛れ、儲けだけではなく、楽しみとしてもやっているそうです。良江さんは、旦那さんが亡くなった時「人生終わりや」と思ったそうですが、旦那さんが亡くなってから2ヶ月程は、お姉さんが一緒にいてくれ、その後も仲間や常連さんに支えられてきたからこそ、17年間一人でやってこれたのだと言います。

辛い時期を乗り越えられたのも、この民宿が続けられているのも、お客様がいてくれるおかげ。大きな儲けじゃなくて食べていけるだけの少しの儲けと、お客様との会話やふれあいに支えられているから生きていける。「おばちゃんおおきに!」と言ってもらえるのが楽しみ。「常連さんなんてまた来てやて言わんでも来るねん」と嬉しそうな笑顔いっぱいに話してくれました。そして、次代の女将として、息子さんのお嫁さんが跡を継いでくれることになりました。これからはふたりでお客さまをお迎えします。

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INTERVIEW

またべゑ旅館


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