ずっと変わらず守ってきた場所

家族で力を合わせたから今がある


久々子地区 美船荘

女将 畠中 香代子さん

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INTERVIEW

証券会社から民宿の女将へ

美船荘をきりもりする女将の畠中 香代子(はたなか かよこ)さん。埼玉県のご出身で、ご主人と同じ埼玉にある証券会社に勤めていました。ご縁があって結婚し、その後の転勤で大阪へ引っ越すことに。子供が生まれ、知り合いのいない大阪での生活は大変だったそう。今後のことを考え、夫婦で話し合い、福井に異動願いを出して家族で美浜に戻りました。

ご主人の実家は米農家。当時の海水浴ブームや、臨海学校の受け入れが増えたため民宿を始めることになったそうです。ご主人は自宅から仕事に通い、香代子さんはお姑さん達と4人で民宿をきりもりすることになりました。

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INTERVIEW

忙しいと思う暇もなかったあの頃

当時の美船荘は大忙し。多い時は100人ものお客さんを迎え、家族はもちろん、従業員を雇い、お舅さんやご主人が送迎をしながら宿仕事を営んでいました。県外の学生さんも雇い、住み込みで働いてもらったそうです。民宿と平行して米農家も続けていたので、田植えや稲刈りなどが旅館が忙しい時期と重なって、香代子さんもトラックに乗り手伝うこともあったとか。香代子さんがお嫁にきたことから人手も増え、営業を継続するために、民宿は夏季営業から年間営業へ変更し、忙しさが増したそうです。香代子さんが嫁いだ時は右も左も分からず、料理も上手くできず。受付、接待、運びの手伝いから始まって、調理師免許を取ったあとも、お姑さんについて宿仕事を教えてもらいました。3人のお舅さんお姑さん達にもまれながら、必死でついていくことしかできなかった。大変だったと今は懐かしさも込めて振り返ります。


当時の苦労が大きな成長へと変わる

仕事は忙しい、人間関係も難しい、嫌なこともたくさんあって分かりあえない事も多かったし。でも、香代子さんは今、当時のお義父さんお義母さん達の年齢に近づき、その時は気づいてあげられなかったこともたくさんあったと思うと。今はただ感謝しかなく、宿経営を通して、一生懸命、真面目に子供を育てる大切さを教えくれたことが本当にありがたいと感じているそうです。ご主人と香代子さんが切り盛りする美船荘は、新鮮な魚を使った女将さんのお料理や、ゆったり過ごせる宿の魅力を味わうために、30年間、変わらず泊まりに来てくれるお客さんもいます。人とのご縁を大切にしながら、ゆっくりのんびり、ここにきて良かったと感じてもらえる宿でありたいと、しみじみと振り返りながら話される姿に、年輪のような..深い味わいを感じました。

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INTERVIEW

美船荘


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